2014年12月25日木曜日

エルドアン大統領、「避妊は国家への反逆」と発言

日経イスタンブール支局のシナン・タウシャン氏の記事によると、エルドアン大統領が今月知り合いの結婚式に出席し、避妊に対する強い反対論を繰り返したとのこと。エルドアン大統領は、「トルコでは長い間、避妊という国家への反逆が続き、次の世代を絶やそうとしていた」と発言。

写真:AP Photo/Burhan Ozbilici


エルドアン大統領は自国民に「子供を少なくとも3人つくるよう」呼びかけている。
トルコ統計局の推計によると、今の約7600万人の人口が2050年に約9300万人とピークを
迎え、その後減少に転じるとしている。トルコの2013年の出生率は2.1で、経済成長に
伴い低下傾向にあるという。

エルドアン大統領は敬虔なイスラム教徒。11月にも、女性の権利に関する会議の場で、
「女性と男性を平等にはできない。自然の法則に反しているからだ」と発言。

朝日新聞デジタルによると、エルドアン大統領は、「我々の信仰(イスラム)では
女性の地位は母親」「母親であることが(女性の)最高の地位だ」と述べ、女性は
結婚して出産すべきだとの持論を展開。

また、CNNによると、「女性団体はエルドアン氏の発言がトルコの憲法や国際条約に
反するとの共同声明を発表、男女平等を求める女性たちによる過去何十年もの努力を
侮辱する内容だと非難した」と伝えている。Twitter上でも論争になっているようだ。

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2014年12月23日火曜日

注目されるモロッコ、その行き先は欧州・アフリカ

モロッコと聞いて、カサブランカを思い浮かべる人は多い。
カサブランカはモロッコの商業・金融の中心地で、アフリカ有数の世界都市である。

ちなみに、カサブランカとはスペイン語で「白い家」の意味だが、むしろカサブランカと言えば、映画好きの筆者にとっては、ハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマン共演によるフランス領モロッコのカサブランカを舞台にしたラブロマンス映画「Casablanca」が最初に来る。

時は194112月、ドイツの侵略によってヨーロッパの戦災を逃れた人たちは、中立国のポルトガルを経由してアメリカへ亡命を図ろうとしていた。ハンフリー・ボガート演ずるアメリカ人男性リックとパリでかつて恋に落ちたイルザ・ラント(イングリッド・バーグマン)が、リックの経営する酒場「カフェ・アメリカン」で偶然の再会を果たす。
そのときの「As Time Goes By」が切なく流れるシーンは何とも言えない。

映画 Casablancaより


話しが全くそれてしまった。
今、北アフリカに位置するモロッコが欧州やアフリカへの輸出拠点として急速に存在感を高めているということをお伝えしたい。

自由貿易協定 (FTA)を米国、ヨーロッパ、中東などを含む主要国と次々に締結し、モロッコは投資環境を整備している。日本企業の進出もこれから増えていくものと思われる。

自動車関連産業の投資が最近目立っているが、日本からは住友電装グループや矢崎総業がすでに進出済み。ワイヤハーネスを生産し、モロッコから欧州向けに輸出を行なう。欧州に近いという地理面での利点が大きい。また、FTA などモロッコ政府の積極的な貿易政策が後押しをしている。

天然資源に余り恵まれないモロッコは「貿易のハブ」になることを以前から戦略として掲げてきた。2000年には欧州連合、2006年に米国とのFTA発効など既に50カ国・地域以上と締結済みだ。現在、西アフリカ諸国と交渉中である。モロッコはアフリカビジネス展開の中心的役割を果たそうとしている。

日清食品ホールディングスが2014年2月に販社を設立しているが、購買力増により消費市場としての魅力が高まっているからに他ならない。アルジェリア、チュニジアを含む商圏8千万人に即席パスタの新商品を投入し、サハラ砂漠以南のアフリカも視野に入れるという。

モロッコの首都ラバト(外務省サイトより)


今後、モロッコが注目を集めることは間違いない。

なぜなら、日本貿易振興機構(ジェトロ)が、この18日にモロッコの首都ラバトに事務所を開設したことをみてもわかる。モロッコは政治が安定してインフラ整備が進んでいる。アフリカの他地域や欧州などへの輸出拠点としての地位を高めていて、ジェトロは日本企業の進出や2国間の貿易投資の促進を支援するとしている。

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2014年12月22日月曜日

「V4 + 日本」友好と協力

2014年はV4と日本の交流年。ポーランド、チェコ、ハンガリー、スロバキアの4カ国による
地域協力機構をV4、Visegrad (ヴィシェグラード)4カ国という。


V4はハンガリー北部のVisegradにおいて1991年2月、チェコスロバキア(当時)・ポーランド・
ハンガリーの大統領によって、3カ国の友好と協力の推進を目的に発足した協力の枠組みである。
1993年1月にチョコスロバキアの分離に伴い4カ国での構成となった。首脳会合の開催や議長国が
策定する計画の下、大統領や首相、外相、専門家レベルで幾多の会合が開催されている。

V4+日本においては、観光や貿易・投資促進、経済協力等の分野で様々な協力が進められている。
女優で音楽家の松下奈緒さんが親善大使として今月末までの1年間、文化活動や社会活動を通して
V4+日本の交流促進に貢献。一方、ポーランドの親善大使はシンガーソングライターの
Anna Maria Jopekさん。今年の3月にはブルーノート東京でも「HAIKU」でジャズピアニストの
小曽根真氏との共演を行っている。筆者もその機会に恵まれたが、一夜限りのプレミアムライブと
いうことで、会場は大変な盛り上がりであった。


さて、女優で音楽家の松下奈緒さん。3歳からピアノをはじめ、東京音楽大学でピアノを専攻。
そんな、松下さんがポーランド文化に触れるきっかけは音楽であった。クラシック・ピアノを
学ぶ日本人の多くがショパンを介してポーランドと出会うケースが多いが、松下さんもまさに
そんな一人。

松下さんは、ショパンの曲に惹き付けられる理由を「美しいメロディー」にあるという。
ショパンといえばその代名詞は「軽やかで柔らかい旋律」。一方、ショパンの「革命のエチュード」
の曲にはショパンの強い意志、ポーランドの人々に共通するものを感じるとも語る。
松下さんはこの一年、日本のもつ春夏秋冬や四季折々の魅力、おもてなしの心、日本人の
さりげない心遣いと文化等を伝え、V4親善大使として交流促進に取り組んできた。

むしろ、これからがV4と日本との真の友好と協力、加えて経済・ビジネス親交の関わりが試される。

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2014年12月20日土曜日

ユニクロ、トルコに向けていよいよ本格稼働

少し前に「トルコの今」のコーナーで、ユニクロ国井副社長が2014年9月に
Istanbul Fashion Conference」で講演した内容を紹介した。国井氏は「トルコを
ヨーロッパ市場への輸出の生産拠点とする」という意思を表明。「ユニクロは
年間10億ユニットの製品を生産し製造は主に海外で行っている。10月、
新しい事務所をイスタンブールで始めた際には、トルコをヨーロッパにおける
販売に向けた製品の生産拠点とする計画」であると述べた。

更に国井氏は「ユニクロは現在の生産量10億ユニットを5倍にすることを目指し、
トルコはインド・中国・米国・東南アジアに続き、5番目の生産拠点となる予定。
トルコを通して、ヨーロッパと米国のファッションを生み出しているヨーロッパ
諸国の貿易運営を築いていこうと思っている。ユニクロはトルコの衣服産業を
高く評価し、長期の提携を形成したいと思う」と続けた。

今朝(2014/12/20)の日経の記事で、ユニクロを率いるファーストリテイリング(FR
)会長兼社長の柳井正氏のインタビュー記事が紹介されている。
記者の質問に柳井氏は「トルコでもこのほど生産に向けて事務所を開いた。
トルコは繊維が主力産業で親日国でもある。中東や東欧、アフリカに近く
地理的にもいい。まずは、仕入れ先として生産からはじめ、将来は小売もしたい」
と述べている。
ニューヨークのユニクロ(写真:筆者)

<FRの戦略>
2020年度に5兆円の売上高を目標に掲げるFR。2014年8月期の3.6倍である。
ユニクロの店舗数は中国330、東南アジア90に達する一方、米国40、欧州20に
留まっているのが現状。柳井氏は「これからが本番だ。中国と東南アジアに
それぞれ100店を出したい。欧州と米国でもそれぞれ30店づつ増やすのが理想」
とする。そのためには「これから世界で物流やブランドの価値を変え、
本当の意味でのグローバルカンパニーになる」と断言。

柳井氏のグローバル展開に向けての考えは、「グローバル化が進むほど、
店舗は地域の事情に合わせるローカル対応が大事になる。店員が自分の使える
時間や人生観に合わせて働ける環境をつくる」。また、「世界中の会社と
イノベーション(革新)を進めたい。行動出資の形もある。大型のM&A
(合併・買収)は企業文化やコスト、タイミングがよほど合わない限りはない。
ただ欧米でももっと多くのブランドを持ちたいので、経営者がしっかりしている
繊維やアパレルの会社ならM&A の可能性がある」とする。



ニューヨークのユニクロの店内。
日本の店舗とはスペース、ディスプレイなど大きく異なる。

FRの2014年8月期の連結売上高(国際会計基準)は1兆3829億円。
FRは中間目標として2017年8月期に2兆5000億円を掲げる。今後3年で1兆円強
の売上の上積みが必要となる。そんな背景もあって、前述の通り、中国、
東南アジア、欧州、米国、更にトルコやインドといった国への進出が必須条件
となってくる。

海外事業での売上高比率が4割に迫って来ているFRの今後の喫緊の課題と
なるのは、出店場所の確保はもちろん、人員の採用・育成などがある。
国内での新入社員の即戦力化のユニクロの取組みが離職率を高める結果を
招いたことは記憶に新しい。本来的には今も昔も古今東西、新卒で即戦略
となる人材など滅多にいないと考えるのが無難ではないだろうか。

ともあれ、ユニクロにはNIPPONが誇る「本当の意味でのグローバルカンパニー」
へと成長して欲しい。

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2014年12月18日木曜日

トルコにおける日本語教育

日頃多くのトルコの人たちと懇意にさせていただいているが日本語が
上手な人たちが実に多い。日本人が英語を話すのに比べ遥かにその
パーセンテージは高い気がする。

最近トルコで実施された日本語教育機関調査によると、トルコ全土で
日本語を教える機関数は40、教師数は97名とのこと。日本語を学ぶ生徒の数は、
初等、中等、高等、学校教育以外の4つにわかれるが、合計で1965名を数える。
そのうち高等教育、つまり大学での生徒数は1303名で全体の66%を占める。

そもそも、トルコで日本語一般公開講座が開講されたのが1976年に遡ると
いうから、トルコにおける日本語教育の歴史は40年近くになる。その後、
1978年にアンカラ大学で日本語教育がスタート。また、ボアジチ大学や
中東工科大学といったトルコの主要な大学で日本語講座が次々と開講されていった。
日本で活躍するトルコ人の中で優秀な卒業生の多いチャナッカレ・オンセキズ・
マルト大学は1993年に主専攻の学科が開設されている。同大学は1年間の日本語
の予備教育と続く4年間の教員養成課程を設けてトルコ人の日本語教師を
育成していることでも有名である。こうして日本語講座の開講が相次ぐ中で、
日本ブーム・日本語ブームが広まったと聞いている。

チャナッカレ・オンセキズ・マルト大学のサイトから

こういった背景には、ご承知の通り、一般的に親日感情が強いこと、日本に
対するイメージが良いということに加え、近年日本からのトルコへの旅行者の
急増を反映して日本語ガイドなど観光関連事業への就職を目的としている
人たちも多い。クールジャパンに象徴される日本のアニメやコンピュータゲーム
などのポップカルチャー、コスプレといったサブカルチャーの日本からの
流入なども後押しをしている。

チャナッカレ・オンセキズ・マルト大学のサイトから

最近の動きとしては、イスタンブール商科大学、ゲディズ大学、
イズミール大学において単位が認定される選択科目として日本語が開講されている。
また、2013年10月時点において、ユズンジュ・ユル大学、ナムック・ケマル大学、
セルチュク大学、ネヴシェヒル大学に日本語日本文学科の開講が予定されている
ということである。個々の確認は出来ていないが、 恐らく幾つかは開講された
ものと思われる。また、日本の多くの大学との交流も盛んになっている。


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東京西川といえば、ポーランド羽毛ふとん

高級寝具ブランドとして4世紀以上の歴史を誇る西川産業。

西川産業は羽毛ふとんのジャンルで最高品質の羽毛を取り扱っているが、
それがポーランドの羽毛であることを知る人は意外と少ない。

羽毛ふとんのフワフワ感漂うタッチは水鳥のダウンによるもの。
ダウンとはガチョウやカモの胸のあたりに生える綿羽を指す。
軽量で保湿性に優れる特性ゆえ、羽毛ふとんの素材として使われている。
ガチョウとカモを比べると、ガチョウの方が羽毛が大きくかさ高もあり、
空気をたっぷり含むことでより暖かいものとなる。

寒い地域で育つガチョウほど、寒さから身を守るために大きく保湿性や
かさ高に優れた羽毛になり、まさにポーランドの羽毛はこういった特徴を有する
高いレベルのものとして評価が高い。

















西川産業では1998年に「羽毛ふとん診断士」なる制度が設立されたという。
同社の「羽毛ふとん診断士」によるとポーランドの羽毛が優れている理由を
こう説明する。「伝統的にポーランドは家族経営の農場が主流です。個人が水鳥を育て
管理するので常に良い状態に保つことができます。集団農場で育った水鳥とは歴然とした
質の違いがあります」とのことである。

ポーランドの農家ではどこも「ホワイト・コウダ」という優れた品種を扱っていて、
そのことがポーランドの羽毛を全国的に高いグレードに保つことに貢献していると言われている。
その背景には「動物飼育科学研究所」の存在が大きい。同研究所は1946年に設立され、
ガチョウの品種改良や飼育技術研究、全国への普及等にこれまで取り組んできた。
ポーランド羽毛ふとんの素晴らしさは、つまるところ、ポーランドが国をあげて羽毛に
取り組んでいる賜物と言えるのである。

ポーランドの羽毛ふとんで寝てみたくなりますね!

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