11月1日に予定されているトルコの総選挙に向けて、トルコ国内は非常に緊張した状態が続いている。
6月7日の総選挙のやり直し選挙となるのだが、予想としては、前回同様の結果となるか、与党AKP(公正発展党)が僅差で過半数を獲得し現政権に居座るか、全く読めない状況である。
もし過半数割れした場合には最大野党のCHP(共和人民党)と、今勢力を急激に伸ばしているクルド系政党HDPが連立を組む可能性もあるし、CHPとMHP(民族主義者行動党)の連立をHDPがバックアップするという可能性も。さらに新たなリーダーとして前大統領アブドュッラー・ギュル氏や前副首相アリ・ババジャン氏の名前も巷ではささやかれている。
先日のアンカラにおける自爆テロ事件に端を発し、現与党に対する不満やそれに反発する保守派の対立は全土に広がっており、民族的な対立が表面化するなど混迷を極めている。
まさかその緊張が日本にまで飛び火してくるとは誰も想定していなかったが、10月25日の日曜日、在外投票のためトルコ大使館前に集まったトルコ人とクルド人の間で乱闘騒ぎが発生し、止めに入った警察官を含む9人が重軽傷を負った、というニュースが報じられた。
このセンセーショナルなニュースには報道各局が飛びつき、トルコの内政事情について日本人の関心が向けられることになった。トルコの現在の情勢に不安を覚えた人も多いかもしれない。
しかし一方で、次のような後日談をライブドアニュースがひっそりと伝えてくれている。
http://news.livedoor.com/article/detail/10752037/
『騒ぎの後でゴミ拾いをするトルコ人たち』
以下一部抜粋。↓↓↓
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午後になって騒動が収束した後も機動隊が大使館の前に集まり、物々しい警備が続いていたが、その間を縫うようにして数人のトルコ人が大きなゴミ袋を手にあちこちを歩き回っていた。見ると、乱闘の際に相手に投げ付けて散乱したペットボトルや缶などを、一つ一つ手で拾い集めていた。
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ブラジルのワールドカップで、日本×コートジボワール戦の後に日本人のサポーターがスタンドのゴミ集めをしたことが世界的に報じられたが、それに類する美談ではないか、と思う。
トルコ人のメンタリティーには『恥(AYIP:アユップ)』という概念が非常に根強くある。
誇り高い国民性は、この『恥』を恐れるところに起因する、というのも過言ではないように思われる。
そういう意味でも、日本人として共感を覚えずにはいられない。
残念なニュースばかりでなく、こういった部分も多く日本のメディアに伝えてもらいたいものと思う。
それにしても、日本の在外選挙にはこれほどの人が日本大使館の前に集まるものだろうか。
トルコ人の政治参加への意識の高さには本当に敬服してしまう。
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