モロッコと聞いて、カサブランカを思い浮かべる人は多い。
カサブランカはモロッコの商業・金融の中心地で、アフリカ有数の世界都市である。
ちなみに、カサブランカとはスペイン語で「白い家」の意味だが、むしろカサブランカと言えば、映画好きの筆者にとっては、ハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマン共演によるフランス領モロッコのカサブランカを舞台にしたラブロマンス映画「Casablanca」が最初に来る。
時は1941年12月、ドイツの侵略によってヨーロッパの戦災を逃れた人たちは、中立国のポルトガルを経由してアメリカへ亡命を図ろうとしていた。ハンフリー・ボガート演ずるアメリカ人男性リックとパリでかつて恋に落ちたイルザ・ラント(イングリッド・バーグマン)が、リックの経営する酒場「カフェ・アメリカン」で偶然の再会を果たす。
そのときの「As Time Goes By」が切なく流れるシーンは何とも言えない。
映画 Casablancaより
話しが全くそれてしまった。
今、北アフリカに位置するモロッコが欧州やアフリカへの輸出拠点として急速に存在感を高めているということをお伝えしたい。
自由貿易協定 (FTA)を米国、ヨーロッパ、中東などを含む主要国と次々に締結し、モロッコは投資環境を整備している。日本企業の進出もこれから増えていくものと思われる。
自動車関連産業の投資が最近目立っているが、日本からは住友電装グループや矢崎総業がすでに進出済み。ワイヤハーネスを生産し、モロッコから欧州向けに輸出を行なう。欧州に近いという地理面での利点が大きい。また、FTA などモロッコ政府の積極的な貿易政策が後押しをしている。
天然資源に余り恵まれないモロッコは「貿易のハブ」になることを以前から戦略として掲げてきた。2000年には欧州連合、2006年に米国とのFTA発効など既に50カ国・地域以上と締結済みだ。現在、西アフリカ諸国と交渉中である。モロッコはアフリカビジネス展開の中心的役割を果たそうとしている。
日清食品ホールディングスが2014年2月に販社を設立しているが、購買力増により消費市場としての魅力が高まっているからに他ならない。アルジェリア、チュニジアを含む商圏8千万人に即席パスタの新商品を投入し、サハラ砂漠以南のアフリカも視野に入れるという。
モロッコの首都ラバト(外務省サイトより)
今後、モロッコが注目を集めることは間違いない。
なぜなら、日本貿易振興機構(ジェトロ)が、この18日にモロッコの首都ラバトに事務所を開設したことをみてもわかる。モロッコは政治が安定してインフラ整備が進んでいる。アフリカの他地域や欧州などへの輸出拠点としての地位を高めていて、ジェトロは日本企業の進出や2国間の貿易投資の促進を支援するとしている。
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