7月20日正午過ぎ、トルコ南東部シャンルウルファのシュリュジュという町で、自爆テロが発生しました。
その日、シュリュジュのアマラ文化センターにて、シリア国境を挟んだ向こう側にあるコバニ(アインアルアラブ)という町の復興支援に集まった社会主義活動家の若者たち、SGDF(社会主義者青年会連合)の集会が催されていました。
コバニは昨年一度ISの手に落ちたクルド人の町で、今年に入ってクルド人自らがISから奪還しました。
「共に守り抜いた、今度は共に立て直そう」
このスローガンの下、戦闘で荒廃した町を立て直すため、また現地の子供たちに支援の手を差し伸べるために、イスタンブールやイズミール、アンカラなどをはじめとする各都市から、約300人集まっていました。
19-24日の間にシリア側コバニへ渡り、復旧活動を行う予定を組んでいたそうです。
20日、文化センターの広場にて記者会見が終わった後、突如として爆発が発生しました。
この爆発により、これまでに32人が死亡。100人以上が負傷し、シャンルウルファをはじめ周辺地域の病院に搬送され治療を受けています。犠牲者の遺体は次々と隣の県ガズィアンテペの医療機関へ送られ、検死の後葬儀が行われました。
※葬儀にて、悲しみに暮れる遺族
犠牲者の多くは前途ある若者たちで、法律・社会学・心理学・ジャーナリズムなど学ぶ大学生がほとんどでした。
支援物資を届け、再建を手伝い、子どもたちに玩具を届けようと集った志ある若者たちが、このような卑劣なテロの犠牲となる…あまりにもやりきれません。
※事件当日、記者会見前の合同朝食会の光景
トルコ政府はこの自爆テロの容疑者を特定した、と発表しました。ISがトルコ国内でテロを行ったとして、ISを名指しで非難しています。また、トルコへの越境が容易なシリア国境付近の警備強化を急いでいます。
トルコに流れ込むシリア難民、日常生活を脅かすテロの脅威…。
トルコの人々にとってはまさに「自分事」であり、そういった社会問題に対する意識の高い若者は多いです。事件の後、トルコ各地の大都市で抗議デモが行われています。
しかし、日本では残念ながら今回の事件はほとんど報道されておりません。IS関連のニュース自体が下火になっている気がします。まだまだ「対岸の火事」という感覚が一般的な気がします。
明日は我が身。
トルコが直面している危機は、グローバル時代の今、私たちも強く意識しなければならないことなのではないか…。
そう思えてなりません。
テロの犠牲となった人々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
http://www.bbc.com/turkce/haberler/2015/07/150720_suruc_saldiri
http://www.zaman.com.tr/gundem_suructa-patlama-31-olu-104-yarali_2306338.html
http://www.posta.com.tr/turkiye/HaberDetay/SGDF-liler--Suruc-a-boyle-gitmis.htm?ArticleID=292127
http://www.milliyet.com.tr/suruc-katliami-alman-basininda/dunya/detay/2090508/default.htm
http://www.haberport.com/gundem/suruc-nerede-suruc-katliami-zanlisi-yakalandimi-suruc-son-durum-h11309.html*******************************************************************
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