2015年8月20日木曜日

USAで成功したヨーグルト王、ハムディ・ウルカヤ氏

<トルコとの貿易(輸出入)、トルコへの投資、トルコ新規市場参入を考える日本企業様へ>
海外で活躍するトルコ人は多いです。コカコーラ社CEOのムフタル・ケント氏もその一人。
今回は、今アメリカで最も売られているヨーグルト『Chobani(チョバニ)』を立ち上げた、ハムディ・ウルカヤ(Hamdi Ulukaya)氏をご紹介します。


1972年、トルコ東部エルジンジャン生まれ。トルコ国籍とアメリカ国籍を持つクルド人。アンカラ大学で政治学を学んだ後、1992年に渡米。2002年に父親の勧めでNY近郊に白チーズの会社を設立。2005年に元Kraft社が所有していたヨーグルト工場を買い取り、『Chobani』と名付けた会社を立ち上げた。2007年にトルコスタイルの裏ごしヨーグルトの生産を開始し、この製品を『ギリシャ・ヨーグルト』と銘打って販売、人気商品となる。2009年にはThe Business Review誌にて「40歳以下で最も成功している起業家40人」に選ばれている。2012年にアイダホに4億5千万ドルで新たな施設を作り、またオーストラリアでも牧場を購入。ブルームバーグによれば2013年に資産54億ドルであることが発表され、Chobaniはアメリカで最も売れているヨーグルトであるとされた。2013年6月にはウルカヤ氏は'Ernst & Young World Entrepreneur Of The Year 2013' にも選ばれている。
※以上Wikipediaより。

2011年10月2日付けMilleyet紙にて、ウルカヤ氏の独占インタビュー記事が載っていたので、要約・転載します。
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『ゴミ箱に捨てた紙切れが人生を変えた』

●お父様の酪農を手伝いながら成長したそうですが、どのような子供時代でしたか?

「祖父はエラズーのシャヴァック部族の長で、父がその跡を継ぎました。部族長と言っても精神的なリーダーでした。私は6人兄弟の一家で、ユーフラテス河のほとり、ムンズル山脈のふもとの小さな町で育ちました。祖父のひざ元で、部族をどのように統率するのかを見て過ごしました。約束は守る、最も大切なのは人と、その人に対する信用であることを、祖父から学びました。父は酪農を営んでおり、私も夏には草原に出て父の仕事を手伝いました。」

「渡米した当初は何もなく、小さなリュックひとつでしたが、実は家族から学んだ経験や知識が詰まっていたのです。成功するために必要なものは全て持っていました。」

●最初の工場はお父様の支援で設立されたのですよね?

「父がアメリカに訪ねて来て言ったのです。ここには旨いチーズが無いから、うちのチーズを持ってきて売ったらいい、と。すぐにコンテナで持ってきて卸売業者に売ったところ、うまく行きました。資金ができたので、工場を建て、2年ほど迷走した後、製品ができました。」

「Chobani設立のストーリーも面白いのですよ。机の上を片付けていたら、一枚の紙が手に触れました。「機械ごとヨーグルト工場売ります」と書かれたその紙を、一旦はごみ箱に捨てました。しかし30分後、ごみ箱からその紙を探し出しました。」

●30分の間に何が起こったのですか?

「チャンスが来た、そう思ったんです。多くの人に毎日チャンスは訪れますが、私はそれに気づき、価値を認めました。あのゴミ箱は私の人生の転換点です。」

「工場で働いていた55名の従業員たちも決定要因でした。彼らは1か月後に閉鎖される工場で、それでも自暴自棄になるでもなく一生懸命仕事をしていた。とても感動しました。閉鎖を待つ工場でこんなに働く人々が、新たな投資をしたらどれだけ働いてくれることだろう、と思いました。彼らは期待を裏切らず、4年後にはアメリカで最大の牛乳仕入れをする工場になりました。」

●トルコ人は「ヨーグルトを発明したのはトルコ人だ」と言いますが、あなたの製品は「ギリシャ・ヨーグルト」と銘打ってますね。反発はありませんでしたか?

「フランス人もギリシャ人もブルガリア人も、もちろん我々も同じことを言いますが、ヨーグルトは一つの地域限定ではありません。ギリシャ・ヨーグルトはトルコの物とは異なります。私たちの裏ごしヨーグルトに似ていますが、もっと水っぽく甘いです。また、彼らギリシャ人は既にアメリカで市場を確立しており、“ギリシャ・ヨーグルト”という物が認知されている環境で同様の製品を違う名前で打ち出すのは、ビジネスとして大きなミスになります。アメリカ在住トルコ系ビジネスマンから多少の反発はありましたが、時間とともになくなりました。ギリシャ人からの反発もありましたよ。トルコ人がひとり現れて、自分たちを上回ってしまった、と嘆いていました。」

●「Chobani」の名称はどこから?

「バルカン諸国、ギリシャなどで“Choban(チョバン)”は共通の言葉で、即ち“羊飼い”を表します。私もこの単語が持つ共通性に打たれました。つまり、羊飼いはどこでも羊飼いであり、ヨーグルトはどこでもヨーグルトなのです。」

●アメリカ在住のトルコ人からビジネス上のお申し出はありますか?

「一緒に仕事をしたいというお申し出はたくさんありますが、ただ同朋のトルコ人である、というだけでは一緒にやる理由になりません。その個性や設備を証明してもらいたいのです。マリアやジョージと何が違うのか、そこを知りたいですね。」

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なかなか興味深いサクセス・ストーリーです。

この若き成功者の躍進は止まりません。
8月10日付けRadikal紙では、ウルカヤ氏の新たな挑戦が報じられていました。
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スターバックスのライバル、ヨーグルト王ウルカヤ

“Chobani”ブランドでアメリカで話題のハムディ・ウルカヤ氏が、コーヒー輸入及びコーヒーチェーンのLa Colombe(ラ・コロンブ)と業務提携した。

ニューヨーク・タイムズによると、ウルカヤ氏は会社の経営には携わらず、顧問として関わりつつ、より本業であるヨーグルトに焦点を当てていく、とのこと。
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La ColombeはNYのミシュラン3つ星レストランや5つ星ホテルなどで取り扱われているコーヒーで、昨年から日本でも一部で限定的に販売が開始されている、今注目度の高いコーヒーチェーンです。

そこに目を付けるとは、さすがです。
新進気鋭の起業家の活躍、今後も見逃せません。

まずは、アメリカで最も売れてるというヨーグルトChobaniが気になるところ。
日本への進出を期待します。
 
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