2015年12月14日月曜日

アダナで朝まで!ケバブ&シャルガム祭り!!

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トルコ中南部の町アダナはトルコで4番目に大きい都市で、その名を冠した「アダナ・ケバブ」でも有名。アダナ・ケバブはひき肉を香辛料と混ぜて串に刺して炭火焼きしたもので、スパイシーなものが多い。塩味ドリンクヨーグルトの「アイラン」や、赤カブを原料に作られる「シャルガム」というジュースと共に供される。
さて、そんなケバブの町アダナで、例年この時期にケバブにちなんだフェスティバルが開催されているらしく、今年も大いに賑わった、との記事があったので、以下に翻訳・転載する。

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『武力攻撃にも関わらず朝までケバブとシャルガム!!』 2015年12月13日Radikal紙

アダナで、飲酒反対の抗議グループによる発砲事件にも関わらず、『ケバブとシャルガム祭り』は朝まで大いに賑わった。



アダナで、100年にも及ぶ伝統である、早朝にレバーとひき肉のケバブを食べる習慣が自然とフェスティバル化したイベントに、今年も何千人もの人々が参加した。近年は『ラク(※トルコの蒸留酒)祭り』として開催されていたイベントだが、県庁が発令した「禁酒」により今年は『ケバブとシャルガム祭り』というタイトルで開催された。拳銃発砲でアルコール反対運動を行ったグループの襲撃にも関わらず、『ケバブとシャルガム祭り』を何千人もの参加者が朝まで大いに祝った。

歴史あるカザンジュラル市場及び時計塔の周辺にあるケバブ屋と、「ドゥリュム(※ケバブ肉を巻くラップサンドのようなもの)屋」と呼ばれるケバブの移動販売屋が、10か所近い通りで、夕方閉店した店舗の前にテーブルを出すか夕方営業にて、例年通り12月の第二土曜日、外が暗くなるのと同時にスタートした。様々なミュージシャン・グループが街角で歌や民謡を演奏し、あらゆる年代の金持ちも貧しいも無関係の何千もの人々が盛り上がる中、バーベキューからはケバブの香りが立ち上り始めた。過去10年で毎年少しずつ参加者が増えていき、今や何千人もが出入りする時計塔周辺では、22時頃になって歩道に上がりきれない人々が路上に座るようになると、自然と祭りのような高揚感が生まれた。

ここ2年で約2万人が参加しているイベントで、アダナ出身で県外在住の人々の内、ゲストと一緒に訪れた人が大多数であったことが注目を集めた。今年も何千人もの人々が『ケバブとシャルガム祭り』と今回名を変えたイベントに参加した。
カザンジュラル市場の場外にある、市内の別の地区のケバブ屋も、昨晩は90%の稼働率となり、ホテルも空きが無い状態だった。カザンジュラル市場周辺のアルコール取扱い許可を受けているケバブ屋では、賑わいは早朝の日の出の頃まで続いた一方、イベントの伝統である朝レバーを求める人々でレバー屋は満杯となった。

武装グループの襲撃
『ケバブとシャルガム祭り』のため、カザンジュラル市場では警察による広範な警備が敷かれた。歩くのも難しいほど込み合う路上では、私服警官があらゆる出来事に即対応できるようパトロールを
行った。

真夜中、武装したグループが「飲酒が行われた」とのことでイベントを襲撃した。先頭ではドネルケバブのナイフや拳銃を手にしたグループは、ストリートに乱入してテーブルを蹴散らそうとした。「お前らにラクを飲ませるものか」というスローガンを叫んで乱入してきた反対運動グループにより、その路上はパニック状態となり、椅子もテーブルもひっくり返され、食事中の人々も逃げ出さざるを得なくなった。このグループは私服警官によって即座に取り押さえられ、リーダー格の5名を拘置、他は逃走して行方知れずとなった。拳銃が押収された拘置中の人物への取り調べは続いている。

反対運動グループが起こした短時間のパニックの後、何千もの人々は改めてテーブルにつき、朝までぞんぶんに楽しみ続けた。朝の最初の光とともにレバーを食べに来た客で、レバー屋は満杯となった。

鳥市でレバー・ケバブの伝統
アダナで、今日まで長きにわたってカザンジュラル市場に開かれていた鳥市の伝統から受け継がれている話では、朝の最初の光とともにレバー・ケバブで朝食を取ったり、夜遊びから出てきた人々も来てさらに1~2杯酒を飲み、レバー・ケバブを食べてからウルマック・ハマム(※アダナの歴史ある公衆浴場)で垢を落とし毒抜きをしたという。その後、鳥市が余所に移ってもレバー屋はこの場所に残り、レバー・ケバブとラク1~2杯の習慣は続いた。
当初、小さなグループでここにやってきた人々が、2010年に他の都市に暮らすアダナ出身者たちを「アダナで会おう」「世界ラクの日」「ラク・フェスティバル」などの名の下に町に招待した。このイベントの映像がSNSで拡散し、毎年12月第二週に集まると決めたアダナ出身者たちがカザンジュラル市場に押し寄せ、毎年その数が倍増している。

SNSでのやり取りで実現したこのイベント。今後さらに整備された形で開催していくために委員会が設立されることになっている。
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SNSで拡散したことによって恒例となったイベントというのも面白いが、地域の一部で伝わるささやかな伝統がここまでブームとなるのも興味深い。
また、朝まで飲み食いドンチャン騒ぎに対して「アルコール反対!!」と発砲するプロテスト行動も、トルコ社会を反映している。

しかし。
筆者が今一番気になっているのは、もちろんレバー・ケバブとシャルガム・ジュースの味である。

アダナで会おう。インシャッラー。

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